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行事ニュース

中学校卒業式

3月18日(土)9時半より、中学校卒業式を挙行しました。

在校生代表の中学二年生と保護者の皆様が一堂に会し、卒業生の門出を晴れやかに祝うことができました。

校長 式辞

桜の蕾が少しずつ膨らみはじめ、風のにおいや陽だまりの温かさに、確実に春が近づいていることを感じる今日の佳き日に、多数のご来賓、保護者の皆様にご臨席を賜り、ここに2022年度同志社香里中学校卒業式を挙行できますことを、心より厚く御礼申し上げます。

本来であれば、卒業生の門出を皆さんで祝福すべきところですが、未だ収束しないコロナ禍により、ご家族の入場を制限させていただきましたので、ご臨席いただけなかった皆様には、オンライン配信で式典の様子をご覧いただくこととなりました。何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

本校での3年間の義務教育の課程を終え、巣立ちの時を迎えられた244名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。思い返せば、皆さんの中学校生活は、突如出現した新型コロナウイルス感染症の拡大という未曾有の事態に直面し、様々な変化や制約を受け入れながらのスタートとなりました。緊急事態宣言が発令され、学校が全国一斉休校となり、6月の異例の入学式や分散登校、マスク生活、オンライン授業、試合や大会、学校行事の中止や変更と、これまで当たり前であったことができなくなり、不安や焦り、やり場のない葛藤、どうしようもない苛立ちをかかえながらの三年間だったと思います。

このような状況に置かれながらも皆さんは、同志社の良心教育に基づく本校の教育をしっかり受け止め、自らの目標に向かって、目の前の課題を解決するために、友人と助け合いながら、一つ一つ壁を乗り越えてきました。皆さんのこれまでのたゆまぬ努力に、心から敬意を表したいと思います。

さて、ここにいる卒業生の皆さんの多くは、さらなる3年間を同志社香里高等学校で学びますが、中には、今日、本校を巣立ち、他の高等学校へ進学する人もいます。

これから皆さんは、次なるステージで新たな夢や目標に向かって歩むこととなります。その行く手には、思うようにいかないことも多々あろうかと思いますが、高い理想を持ち努力を積み重ねていけば、必ず道は拓けると信じて頑張ってほしいと願っています。皆さんの夢が大きく花開くことを心から期待しています。

ここで、これからも夢の実現に向けて努力を続ける皆さんに、20世紀の製造業、グローバルな産業形態と交通手段、そして、経済にも大きな影響と変革をもたらした、ヘンリー・フォードさんの言葉を紹介したいと思います。

フォードさんは、1863年、ミシガン州、ディアボーンの農家で生を受けます。当時のディアボーンは、鉄道も通っておらず、農作業は荷馬車に頼らざるを得ない自給自足の牧歌的な農村でした。幼い頃から家業を手伝っていたフォードさんは、自身の辛い経験から農民も買える廉価な交通手段があればと、考えていたそうです。19世紀後半にガソリン自動車が登場して以降、次々と自動車メーカーが産声を上げる中、フォードさんは40歳でフォード・モーター・カンパニーを創業します。そして、色々な苦労と経験の末、自動車産業の黎明期にT型フォードという車を発表し、ベルトコンベアによる大量生産を実現し、幼い頃からの夢であった低価格で運転しやすい大衆車を世に送りだしました。フォードさんの功績は極めて大きく、夢の実現に向けた努力は賞賛に値すると言えます。

そのフォードさんがこんな言葉を残しています。”Whether you believe you can do a thing or not, you are right.” 意味は「あなたができると思えばできる。できないと思えばできない。どちらにしても、あなたが思ったことは正しい。」ということです。

何事もできると思って、最後まで挑戦し続ければ、絶対に成し遂げることができる。でも、できないと思って取り組めば、絶対に成し遂げることができない。自分の可能性を広げるか、放棄するか否かは、自分の心次第です。つまり、心で思ったことが、そのまま現実になるということです。

皆さんは、自分の限界を決めつけ、挑戦することを諦めてしまっていることはありませんか。自分ならできる、自分にはその困難を乗り越える力があると信じて、諦めずに一生懸命頑張ってください。

これから皆さんが歩んでいく社会は、少子高齢化、高度情報化、グローバル化に加え、コロナ禍の影響で新たな概念や価値観の創造が求められる社会へと変化しています。このように急激に変化し、予測が困難な社会では、新しいことへの果敢な挑戦は不可欠となります。皆さんには、今日紹介したフォードさんの言葉を心に留め、実り豊かな高校生活を送ってほしいと願っています。卒業生の皆さんの限りない前途を祝福するとともに、今後のご健勝とご活躍を心から祈念しています。

最後になりましたが、保護者の皆様にお祝いとお礼を申し上げます。本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様の健やかな成長を願って支えてこられた皆様には、さぞや苦労も多かったことでしょう。今日の佳き日を迎えられ、立派に成長されたお子様の姿に感慨もひとしおかと存じます。教職員一同、心よりお慶びを申し上げます。コロナ禍における教育活動では、多くのご迷惑とご心配をおかけいたしました。今日まで本校にお寄せいただきましたご支援とご協力に深く感謝を申し上げます。今後とも本校の教育に益々のお力添えを賜りますようお願いを申し上げまして、式辞といたします。

あらためまして、卒業生の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

2023年3月18日

同志社香里中学校・高等学校

校長 瀧 英次