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行事ニュース

2017年度 高校卒業式

3月8日、午後1時より本校香真館にて第67回 高等学校卒業式が行われました。

校長式辞

例年になく寒さ厳しい冬が去り、ようやく春の息吹が感じられるようになりました。今日、未来に向かって希望にふくらむ、この佳き日に、卒業を迎えられた311名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

本日は、ご多用の中、八田英二総長、理事長はじめ、ご来賓の皆様、ご臨席を心より感謝申し上げます。保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。今日に至まで、本校の教育活動に深いご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。

さて、卒業生の皆さんは、振り返れば3年前、6年前、大きな希望を胸に香里の丘を上って以来、夏の猛暑にも、冬の厳しい寒さにも、耐えながら授業に、そして仲間と部活動に、よく努力し立派に高校生活を全うしました。今、皆さんの胸中は、きっとすがすがしい満足感に満ち溢れているものと思います。皆さんのこれまでの努力に、心から敬意を表したいと思います。同志社の良心教育に基づく本校の教育をしっかり受け止め、頼もしく成長した皆さんは、今、巣立つ時を迎えました。

これから新たな世界に羽ばたく皆さんに、はなむけの言葉として、皆さんが在学中、礼拝や聖書の時間、その他いろんな機会に、聞き、学んだ、言葉を通して2つお話したいと思います。

1つ目は、校祖、新島先生が、亡くなる直前、1890年の年が明けて間もない頃に詠まれた「庭上の一寒梅」という漢詩です。

「庭上一寒梅  笑侵風雪開  不争又不力  自占百花魁」

この漢詩の解釈は「庭先にある一本の早咲きの梅が、きびしい風や雪の寒さを耐え忍び、笑うが如くに平然と咲いている。一番咲きを争うこともなく、また、特に努力するでもないが、それでいて、あらゆる花の先駆けとなって咲いている。まことに謙虚な姿であり、人もこうありたいものだ。」ということで、まさに、新島先生自らの生きる姿勢を寒梅にたとえた詩であり、同時に、私たち同志社人の生き方の模範を示した詩でもあります。

これから皆さんは、自分で決めたそれぞれの道を歩むことになります。その道のりはいつも平坦で歩きやすいとは限りません。幾多の挫折や困難に直面することも、苦しい選択を迫られることもあります。そんな苦しい局面に立たされた時こそ、耐え忍び、勇気をもって、打開に向けて果敢に挑戦してほしいと思います。苦しみの中で培われた力は、自分を支えてくれる原動力、自信という財産となって蓄えられ、自身を強めてくれます。皆さんも新島先生が愛した寒梅のように、苦難や試練に耐えながらも無理をせず、いつも笑顔で、自然体で、これからの人生を歩んでください。

2つ目は、マタイによる福音書、第7章7節にある「求めなさい。そうすれば、与えられる。」という聖句です。急速なIT化により時間や空間の壁が取り除かれ、居ながらにして世界中の情報や知識が得られる時代となりました。しかしながら、情報が氾濫し何が重要で何が真実なのかを見極めるのも難しくなりました。このように変化の激しい時代に対応するには、自ら学び、そして、学び続けなければなりません。皆さんは、自ら学ぶことにより、今まで知らなかったことを理解し、できなかったことができるようになりました。地道に努力を重ねたことによって目標を達成し、時間をかけ努力したことにより結果を得ることができるということを皆さんは、本校で学びました。求めても、すぐには与えられないこと、探しても、そう簡単に見つからないこともあるかもしれませんが、あきらめず、求め続け、探し続け、学び続けてください。そうすることで、きっと皆さんの未来は開かれるはずです。

これから皆さんが生きていく時代は、グローバル化、ボーダレス化、情報化が進み、先の見えにくい世の中であると言われています。こんな激動の時代だからこそ、謙虚な姿勢で、自ら学び、挑戦し続けてほしいと思います。本校で培った力を礎に、これからの人生を切り拓いてください。皆さんの母校、同志社香里は応援しています。

最後に、新島先生が、1879年、明治12年、6月12日の同志社英学校の第1回卒業式で、卒業生の前途を祝福された言葉を、皆さんに贈りたいと思います。

「Go, go, go in peace. Be strong. Mysterious hand guide you!」

皆さんの今後の、ご活躍とご多幸を、心からお祈りして、式辞と致します。また会う日まで、お元気で、ごきげんよう。

 

二〇一八年 三月八日

同志社香里中学校・高等学校

校長 瀧  英次