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行事ニュース

2017年度 入学式

本日4月10日(月)13:00より、香真館において2017年度の入学式が行われました。

 

校長式辞

満開の桜と穏やかな日差しが降り注ぐ春の日に、多くのご来賓の皆様、さらに、保護者の皆様にご臨席をいただき、2017年度同志社香里中学校・高等学校入学式を挙行できますことは、誠に大きな喜びであります。ご臨席の皆様に心からお礼を申し上げます。

中学250名、高校305名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心より祝福を贈りたいと思います。また、入学に至るこれまでの努力に、深く敬意を表します。今日のお子様の晴れ姿を目にされて、保護者の皆さまのお慶びも一入かと存じます。ご入学を心からお祝い申し上げます。

今、皆さんは入学の喜びと、これから始まる学校生活への高まる不安、そして将来への大いなる希望に胸を膨らませていることでしょう。この場にいることができるのは、皆さんのこれまでの努力の積み重ねのたまものであることは言うまでもありません。しかし、ご家族や周りの方々の温かな支えやご指導、優しくかつ厳しい教えがあってのこと、感謝の気持ちを忘れてはなりません。このことをしっかりと自分の胸に刻み、本校での第一歩を踏み出してください。

さて、皆さん、シンギュラリティ(Singularity)という言葉をご存知でしょうか?シンギュラリティとは「技術的特異点」という意味で、人工知能の権威レイ・カーツワイル博士が、自身の著書『The Singularity Is Near』の中で、「2045年までに、人間と人工知能の能力が逆転する、技術的特異点、シンギュラリティに到達する」と予言したことで話題となりました。コンピューター技術が発達し続けると、究極の人工知能が誕生し、それが連鎖的に進化し続け、人間の頭脳レベルでは、もはや予測不可能な未来が2045年までに起こるというのです。

最近、2020年東京オリンピック、パラリンピックに向けて、自動運転の実用化や、アメリカの雇用者の約半分の仕事が、コンピューターにとって代わる時代が、ここ10年から20年の間に来ると言われています。先日も、人工知能の囲碁ソフトが囲碁名人を破るという快挙もありました。そう考えると、本当に、レイ・カーツワイル博士の予測通りに、あと30年も経たないうちに、人工知能が人間の能力を超え、人間の生活を大きく変える日がやって来るのではないでしょうか。皆さん、自分の30年後を想像してみてください。何をしているでしょう。皆さんは、おそらく様々な分野の第一線で活躍しています。

人間が作った人工知能が、人間の能力を追い超すとなると、すべてのことを人間ではなく、人工知能が担うようになり、人間がいくら考えても想像や予測ができないSF映画のような世界となるでしょう。そのような不確実な時代になればこそ、人のことを「思いやる心」をもった人物が求められるのではないでしょうか。「人」が人工知能を開発、進歩させ、「人」がその人工知能を良いようにも、悪いようにも使う時代に入ります。いつの時代にあっても「人」が大切で、「人」を育てなければ世の中は良くなりません。

同志社を創立した新島襄は、幕末の1864年、激動する日本の将来を憂いアメリカへと渡り、そこで「教育こそ、文明の源である」との思いに至り、帰国後、同志社大学を設立しました。先ほど、教頭が朗読しました「同志社大学設立の旨意」にも述べられていたように、新島は「道徳心を磨き、品性を高め、精神を正しく強めるように努め、ただ、技術や才能ある人物を育成するだけでなく、いわゆる『良心を手腕に運用する人物』を養成すること」を教育の理念としました。以来、140年余りの時が経ちましたが、同志社は、知識の教授は勿論のこと、その得た知識を正しく運用できる、良心に満ちあふれた人物を育成してきました。

今日から同志社人となった皆さん、これからの3年、6年の学校生活を通して、いつの時代にあっても、周りに流されることなく、自らの良心に従って行動できる人物へと成長してくれることを願っています。

皆さんの門出を心から祝福し、式辞といたします。ご入学おめでとうございます。

二〇一七年 四月十日

同志社香里中学校 高等学校

校長 瀧 英次